新年度はドキドキワクワク
新年度を迎えると新入園児は登園時に涙が出る子がいます。今まで保護者と過ごしていたのに、急に「いってらっしゃい」と言われるのですから。「涙=かわいそう」と思ってしまいますが、子どもにとっては「知らない世界で楽しんでおいで」という状況なので涙が出るのは当たり前です。「泣いてもいいんだよ」と受け止めてあげましょう。涙が出る子は気が済むまで思い切り出させてあげていいです。親としては我が子が泣く姿はかわいそうと思ってしまいます。。。ここで、「いってらっしゃい!」と言って先生に任せていただいた方が涙の出る時間も期間も短くなる傾向があります。
私達、幼稚園教諭がしなければならないことは「幼稚園って楽しい!」と子どもに思わせることです。保護者とお家にいるより幼稚園に来た方が楽しい、お友達と遊びたいと思った時に涙は自然と止まるものです。
さて、入園前にご家庭でできる事は何でしょう?それは私達と一緒です。「幼稚園って楽しいよ」ということを伝え続ける事です。子どもと一緒にワクワクしてください。現在の状況だと、園に足を運ぶことは難しいかもしれませんので、ホームページや園のパンフレットをみながら、「こんなことするんだぁ~。楽しみだね」で十分です。間違っても、「ご飯を食べないと先生に怒られるよ」「オムツがとれないと幼稚園にいけないよ」「怖いお友達がいるかもよ」等の否定的な声掛けは控えてください。わざわざ先に伝えなくても入園後の困難は自然と経験します。その時に一緒に考えてあげればいいのです。
大人でも新しい環境におかれるとドキドキするものです。ましてや子どもは未知の世界ですので、なおさらドキドキするでしょう。中には涙が出ない子もいます。ニコニコして登園していたのに、1週間後に涙が出始める子もいます。そういう違いは誰でもあるものです。「うちの子はこうなんだ」とありのままを肯定的に受け止めて、できる事はないかな?と考えることです。幼稚園の先生に相談するのも大歓迎です。一緒に考えますよ。1人で悩んで解決できることは少ないです。私達も保護者と同じように子どもがニコニコで「幼稚園にいきたい!」と思ってくれることを願っています。いろんなことがあっても「親として経験させていただいているのだな」と思うと気が楽になりますよ。
新しい年度を迎えるのは子どもだけでなく、保護者も一緒です。入園したら周りの保護者も園の先生達も仲間です。一緒に楽しく子育てしましょうね。
執筆:学校法人三育学園 理事長
光が丘幼稚園 園長 下苙 敏大 氏
- コラム|2021.03.01