子育ての悩みをニューロダイバーシティと捉えてみたら
子育てに、悩みは尽きない。
何故なら、明確な答えはなく、特にこれといった参考書もなく、もっと言うと正解がわからず、さらには情報が氾濫しているからである。
長男が小さい頃、20 代だった私も悩んでいた。
園からの連絡帳には「みんなと一緒にリズム運動ができません」「お昼寝をしません」。
小学校からの電話連絡では「宿題をしてきません」「指示を聞きません」「音楽大会の練習で反抗的」「怒って理科の教科書を破り捨てた」。 など、エピソードは枚挙にいとまがない。
悩みを抱え試行錯誤しながら、多様でユニークな十人十色の発達特性に魅せられて今の活動に至る。
人生何がどう転ぶか分からない。長男には感謝である。
因みに彼は、現在アルバイトをしながら大学生活を謳歌している。
「ニューロダイバーシティ(脳の多様性)」という捉え方がある、脳の発達は多様という思想であるという。
恐らく「○○君とうちの子の顔が違うわ!」とか「○○君とうちの子の身長・体重が違うわ!」などと思い悩む保護者はいないだろう。
生物学的・身体的な発達に違いがあるのは当たり前だというのは世間の常識だ、それと同じように脳の神経発達も多様であるという捉え方で、納得すると同時に何だか少し、ほっとする。
脳が多様なのだから、多様性に配慮した教え方や指示等の支援のバリエーションが準備されることが大切で、これが揃って初めて最強のセットメニューとなる、この両輪が発達特性のある子ども達や保護者の子育ての悩みを軽くする。
困り感に直面し、生きづらさを抱える発達特性のある子ども達は毎日疲弊しながら頑張っている。
障がいがあるから困っているのではなく、脳の多様さからくる学び方の違いを持っていて、それに合わない学びの方法や理解してもらえない環境、選択できないという状況に困っている。
自信を失わず、二次的な障がいを起こさないためにも、支援の方策も含めた環境調整、特性や困難を理解して関わる大人の存在が必要となる。
私たちは、理解者を増やす活動をこれからも続けていく。
執筆:一般社団法人 みやざき子どもサポートリンク
代表理事 辛島 育代 氏
- コラム|2021.03.08